2005年01月

2005年01月30日

アザーズ(2001/米=仏=スペイン)

この映画のニコール・キッドマンは『レベッカ』のジョーン・フォンテーンに似てる・・・と思ったのは私だけでしょうか。あの髪型といいドレスといい・・・しかし・・・

内容は似ても似つかない。

同じようにサスペンスでありすでにこの世にはいない人の影におびえるのではあるが。

かなり序盤から話の行く末がうすうす見えてくるため、これみよがしのこわがらせかたにちょっとウンザリです。その点がレベッカとはぜんぜん違う。

世間的にかなりの評価を受けているようですが、単にこういったタイプの映画が少ないだけではないだろうかと勘ぐりたくもなる。ニコール・キッドマンの出演作の中でも一段落ちる。

(評価:★2)


アザーズ

真夜中のカーボーイ(1969/米)

これからこのような映画が現れるだろうか。この時代のエネルギーが生み出した大切な作品。

ついこの間、『トゥーム・レイダー』を見たばかりだったので「ジョン・ボイト若い!!」というのがオープニングの第一印象だった。

それにしてもこのときダスティン・ホフマン33歳ですか。ラッツォは他の誰にも演れないだろう。

ビデオの最後にメイキングがあった。

ジョー役を決めるいきさつは興味深かったし25年後の役者のインタビューもあった。

アカデミー賞をとった作品の中で唯一の成人映画だということもそのメイキングではじめて知った。これが成人映画だったという時代。それだからこそ生み出された素晴らしい作品だと思います。

とかく重くなりがちなテーマを、明るいショットやダスティン・ホフマンの演技、そしてテーマソングが救っている。ずっと心に残る作品でありつづける。

(評価:★4)


真夜中のカーボーイ

2005年01月26日

光の雨(2001/日)

映画の中の映画を描くことで、主観におぼれすぎずまた他人事では済まされないという体験を観客にもたらすことがこの監督の狙いなのであれば、それは成功したといえる(少なくとも私にとっては)。

あさま山荘事件は聞いたことがある。でもその背景はよく知らない。そんな、劇中劇の俳優たちとそう変わらない世代なのである。正直に言うが、予備知識はほとんどない状態でこの映画を見た。

映画を見終わってすぐ、上杉と倉重について調べ始めた。上杉のモデルが永田さん、倉重のモデルが森さんだということがわかった。この映画の原作が完成するまでのいきさつも。そういったことすら恥ずかしながら知らなかった。でもそれらを調べてみよう、知りたい、と思ったのはこの映画のおかげだ。

俳優たちのほとんどが、この映画に出演するまでこの事件を知らなかったという。その彼らが役を演じる過程でなぜこんなことが起こってしまったのか。そのときなぜそうしたのかを考える姿に、私は自分を重ねていた。それはすなわちこの俳優たちと同じ、もしくはもっと若い世代の、予備知識のない観客にも、他人事としてただ漫然と見ることを許さない。これは映画の中の映画を描くという手法ではじめて可能なとてもよく考えられた仕掛けだと、見終わって随分たって落ち着いてはじめてそう思う。

さらに映画の中の映画として当時の事件を描くという構造をとったことで、当時の、そして現在の色々な立場の人々のこの事件に対する感じ方や意見が立体的に表現されているといっていいと思う。それだけの器がこの映画にあったと思う。

(評価:★5)


光の雨 特別版

真実の行方(1996/米)

リチャード・ギアである必要はないが、エドワード・ノートンでなくてはならない。

エドワード・ノートンの映画を最初に見たのはごく最近、『レッド・ドラゴン』でだった。ノートンファンである友人に、強く薦められたので、リチャード・ギアを好きではないがしょうがない、見てみるか、と思って見た。だから、思わぬ拾い物をしたと思う。とにかくよく出来ている。最後まで楽しめる。

もともとリチャード・ギアがあまり好きではない。先日『ジャック・サマーズビー』を見てまぁ食わず嫌いもダメだな、とちょっと思ったけれど・・・なんだか他の人もおっしゃってるようですが彼はあまり出演する映画によって違う人に見えないんですよ。それが私にとってはその映画自体を敬遠させることになってるんですね。大体今回も、アーロン少年を無償で弁護すると言い出したこと自体が売名行為のためだと最後まで信じていた。どうもぱっとしない。

それとは反対に、エドワード・ノートンはレッド・ドラゴンでも淡々と演技しているように見えながらきちんとアンソニー・ホプキンズのむこうを張っている。今回のこの映画では、まさに彼が主役としか思えない。結末を見てしまった今でも、おそらくもう一度見ても同じように楽しめるだろうと確信が持てる。これからの映画に期待したい。

(評価:★4)


真実の行方

2005年01月25日

ショーシャンクの空に(1994/米)

二度目に観て、最初は気づかなかったいくつものテーマがよく見えてきた。モーガン・フリーマンは最高の語り手。彼の演技と声のトーンが、この作品に重みとユーモアと希望を与えていると思う。

 「そして二人はシアワセに暮らしましたとさ」

そんなにハッピーな映画ではないのに、最後にはそんなおきまりの台詞が妙にぴったりくる。それは決して安易なハッピーエンドではなく、長い旅を経てやっとたどり着いた安息の地を意味するように、この映画を見た後は思えてしまう。私たちが子供のころに聞いたおとぎ話とはかけ離れたシチュエーションであるにもかかわらず、やはりこれは、大人のための極上のおとぎ話なんだろう。

(評価:★4)


ショーシャンクの空に

バイオハザード(2002/英=独=米)

決してこの手のジャンルが嫌いなわけではない。が、わけのわからない敵を相手に生身で挑むヒロインとしては『ターミネーター』のリンダ・ハミルトンのほうが数百倍魅力的だ。

ゲーム面白いじゃない!!

このゲームがどうしてこんな映画にしかならないの!!

原作を知っている人にウケたってことは、まぁ映画としては成功したということなのではないんでしょうか。好きな人には結構楽しめるんでしょう。この評価はそれまでをも否定するものではありません。決して。好みは人それぞれだし。

元ゲーを知らなかった私は映画直後にそのゲームを見せてもらったが、さらに評価を下げる結果に。慌ててるくせになんでのろのろ歩いてるの?その時点でもう現実感なし。ミラ・ジョヴォヴィッチも『ジャンヌ・ダルク』のほうが数倍美しかった・・・

設定がわかりにくいという以外にも映画として物足りない点が多々あった。コンバットチームがおままごとをやってるように見えたり、ミラジョヴォが自己陶酔チックなしなを作ってみたり。

どうせ、続編が出るのだろうが、どうしても見たいと思えない。私一人くらいみなくたって何も変わらないだろうと思うけれど、やっぱり見たくない。

(評価:★1)


バイオハザード


バイオハザード

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