2005年02月

2005年02月27日

訣別の街(1996/米)

恐れていたほど悪くない。アル・パチーノの懐の深さもジョン・キューザックの青尻っぷりも脇を固める玄人俳優陣もなかなか見ごたえ有り。ただいただけないのは・・・


なんか総じて日本語訳のセンスがピンときませんでした。

・・・タイトルからしてなんかちがうくないですか?

もちろん政治の話ですからね、難しいのだろうと推察しますが、この映画英語で聞けばそれなりにイイ映画なのに、なぜか日本語字幕を見ていると平板なんですよね。

DVDにて鑑賞しましたが・・・やはり日本語字幕担当される方の責任は重大なのですね、と納得した一本でした。

(評価:★3)


訣別の街

2005年02月25日

天空の城ラピュタ(1986/日)

見ていて懐かしい気持ちになる。パズーとシータはもちろん、ドーラ一家やムスカ、鉱山の人々にいたるまで、昔から知っているようだ。なのに何故5点でないかといえば→

ひとことで言えば、できすぎ、なのだ。

もちろんパズーとシータはとてもいい子だし、嫌いだなんていうつもりは毛頭ない。

予定調和に向かって大団円を描くドラマというのは、どんなによくできたものでも、それだけで興味が半減してしまう傾向が、どうも私にはあるようなのだ。

しかしなんといってもこの映画は、ストーリーや伏線、音楽から映像から全てが非常に高いレベルで調和していることは、これまた確かなことなんだ。

この映画に5点つけられない私を、私は受け入れるしかないんだ。

(評価:★4)


天空の城ラピュタ


天空の城ラピュタ DVDコレクターズ・エディション

もののけ姫(1997/日)

宮崎駿作品の中ではかなり見ごたえのある一本。たたり神、太古の神やサン、アシタカを映像化してみせるには実写では役不足だろう。

良くも悪くも、日本だから生まれた作品と思いたい。この作品を他の宮崎作品と隔てる特徴がいくつかあると思う。

生理的に汚いと思わせるものが冒頭から出てくること。ナウシカですら、生き物たちは奇妙な形をしていこそすれ生理的嫌悪を抱かせるほどではない。冒頭でこのようなものを見たとき、やってくれた、とちょっとうれしくなった。

単純な勧善懲悪ものでないこと。アシタカは死にいたる病を身に潜めて旅立つ。ただ単に自然を守れ、という主張だけでなく、生きていくための営みを否定しないこと。そしてどのような力をもってしても、その営みをやめさせることができないこと。ラピュタでは人々は自然と共生しているように見えるし、ナウシカでは自然と戦いその報いをうける。

救いを描いていないこと。神は救う神ではない。この辺は外国では理解されているのだろうかと疑問に思えるのだが。正直、この映画のどこにも救いは見当たらなかった。そういう意味ではとても叙事的な作品とも言える。

うーん他にもサンとアシタカの関係など他に類を見ない点がいくつかあるような気がする。

まぁここまで日本人にとっての神様というものを的確に描いてくれた映画も少ないと思うし、その意味では非常に見ごたえがアル。説教くさいという意見もアル。それまで否定するつもりはないけれど、説教されるようなことを現代人がしているからそう感じてしまう、という部分もあるように思う。

(評価:★4)


もののけ姫


「もののけ姫」はこうして生まれた。

2005年02月24日

28DAYS(2000/米)

アルコール依存症に限りなく近いと自覚する自分にはある意味コワイ映画でした。色々と疑問の残る部分もあったが、変に男女関係に頼らず描ききった点には好感がもてました。

 そもそもこういう判決(?)がありえるんだ、というところから不思議でしたが。

 しかし依存症だという自覚を持つということは、恐ろしい体験なのだなぁということも伝わってきたし、そのようなときに自分の周りに誰かが居てくれるということがどれほど大切なのかもよくわかったような気がする。

(評価:★3)


28DAYS コレクターズ・エディション

2005年02月23日

ガタカ(1997/米)

人間の可能性を確率によって否定してはいけない。それを教えてくれるこの映画はまぎれもなく人間賛歌。

まずこの世界観を具現化して見せたところに賛辞を呈したい。現代とそれほどかけ離れてはいない建造物や造形物にほんの少し先の未来を感じさせてくれた。それは色のせいかもしれない。アスファルトの路面さえもなぜか金属的に見える。それからなんだかよくわからないいろいろな道具たち。これらがなければ、ストーリーそのものの信憑性もすこしゆらいだかもしれないとおもう。あらためて映画の中でのセット・小道具・衣装の重要性を認識した。

宇宙へ行きたいという子供のころからの夢。それは傍から見ているととても他愛のない、しかし実現可能性がゼロというわけではない、誰でも持っている夢だと思える。それが、限りなくゼロに近い、ではなくてまさにゼロそのものとなってしまう世界には危機感を覚える。確率で人間の可能性を否定する権利は誰にもないのに。

さて、この映画についての感想は、上記のコメントにつきるわけだがこの映画の中ではいろいろと発見があってとても楽しかった。まずユマ・サーマン。彼女は美人なのかそうでないのかかねがね判別しかねていたのだが、ベッドの中で甘えてビンセントを見上げる目つきが、うさぎさんのようでとってもかわいかった。これはとても意外なことだった。ジュード・ロウはかねがねすごい役者だと思っていたけど、この映画ではまさに舌を巻いた。気難しくプライドが高い体の不自由な元スポーツ選手を演じ、最後には静かなあきらめをさえ感じさせるすばらしい演技だった。

(評価:★4)


ガタカ(SUPERBIT)


ガタカ

戦場にかける橋(1957/英)

今のご時世からすれば牧歌的とさえいえなくもないこの作品が、しかし「無言」で訴えかけるものの意味は計り知れず大きい。

戦争を身をもって体験していない私が、牧歌的なんて言う資格はないのだが・・・・。

「無言」といったのは、この映画は特定の主義主張からのみの視点でつくられたものではない、ということだ。その証拠にナレーションがない。英国、日本、アメリカ、タイ、いずれの立場にもよりかからず、淡々とできごとを描く。最後の最後まで叙事的だ。にもかかわらず、そこで描かれる構図によって、私たちは英国軍人と日本軍人、アメリカ軍人と英国軍人、だれでも助けてしまうタイの人々、というようにそれと意識することなく比較を行っているのである。なーんて大げさに言わなくたって映画とはそもそもそうしたものかもしれないけれど、この映画の成功はそれをきちんとやったところにあるんじゃないのか。だからこそ、説得力があるんじゃないのか。

今の時代に、誰が600年も長持ちする樫の木への敬意を忘れずにいるだろう。いやきっといるはずですが、はやり廃りの激しいご時世、ついつい目先のことばかりにとらわれていないでしょうか>自分自身。SEなんて因果な商売、今自分が作っているものが5年後10年後ですら残ってくれているのだろうかなんてひそかな不安を禁じえない。そんな私にしてみたら、英国軍人の誇りを見せてやると意気込んで立派な橋を作ろうとする、そして作ってしまったニコルソン大佐がとてもうらやましいと思う。こういうモノ作りの魂が、現代社会に対して持つ意味は大変大きいと思う。

しかし、そんな人間の思いも人の命も何もかも壊してしまうのが戦争というものであるという哀しい真理は、いつの時代も変わらない。

(評価:★4)


戦場にかける橋 復元版 [SUPERBIT(TM)]


戦場にかける橋

2005年02月22日

風の谷のナウシカ(1984/日)

漫画は漫画、アニメはアニメと割り切ったところにこの作品の成功があったように思われる。間違いなく歴史に残る名作のひとつ。

原作の壮大な世界観を映画の中にこれ以上ないくらい的確に凝縮・体現している。原作とアニメ化された画面のギャップをこれくらい感じさせない映画も珍しいと思われる。

原作では、ナウシカもクシャナもほかの誰もがもっともっと苦しむ。もっともっとどろどろした世界を生きていかなくてはならない。でもそれは映画で描くのには不向きだと言うことなのだろう。そこを割り切って映画としてまとめられたのかどうかはわからないが、結果的にはそれが成功していると思う。

この作品が持つ独自の世界観は、作品が生まれてからもうすぐ20年経とうとしている現実世界でも決して風化していない。キャラクターの魅力・サウンドの魅力・絵の美しさだけでない、この映画が生き残って評価されつづける所以はそこにあると思われます。日本からこの作品が生まれたことを誇りに思う。

(評価:★5)


風の谷のナウシカ DVD ナウシカ・フィギュア セット

2005年02月19日

ロリータ(1962/英)

ロリータがどこにでもいる普通の少女に見えるのは私だけ!?見るべきは年端も行かぬ美少女にのめりこんでいく中年男性の心理描写だと思うのだけれど・・・


いやね、年頃の女の子は多かれ少なかれこういうものなんですよね。そりゃ、しょうがないですよ。ロリータが特別というわけじゃない。事実この映画のロリータはちょっと小悪魔的なところはあるにしても悪魔ではなかった。小悪魔と悪魔の違いは大きいですよ。ウン。

まぁ、ハンバートとあの脚本家ですね。見るべきは。情けないくらいに少女にのめりこんでいく心理描写は見事。その狂気めいた執着はさすがというところです。

(評価:★3)


ロリータ

2005年02月18日

あなたが寝てる間に(1995/米)

都会の孤独と家庭の温かさをわかりやすく描いていて心温まるいい映画。

サンドラ・ブロックはナチュラルでいい感じ。ビル・プルマンはいい役どころでした。

まぁ本当にこういうことがあるとは思えないけど、だから3点ですけど、いい気分で見られる映画としてはいい線いってます。

(評価:★3)



あなたが寝てる間に…

2005年02月17日

トゥームレイダー(2001/米)

予想外の出来。といったらララに対して失礼かもしれませんが・・・。ゲームからの映画化としては『バイオ・ハザード』とは雲泥の差。エンターテイメントとして合格の作品。

男勝りでちょっとファザコン気味のララをアンジェリーナ・ジョリーが好演。カッコイイの一言につきますね。ただ、すっかりおじいさんになってしまったジョン・ボイトにはショックを受けました(この映画の直後に『真夜中のカーボーイ』を鑑賞)。でも、いい味出してますよね。

こういう作品には、魅力的な悪役が不可欠だと信じているんですが、その点でも合格。かっこつけつつちょっと間抜けな悪役たちにも好感が持てました。

ちょっと欲を言うなら、恋したララも見てみたい。元ゲーにはそういうの、ないのでしょうか?

とにかく、同じゲームからの映画化とはいっても、『バイオ・ハザード』とは天地の差に思える秀作でした。

(評価:★4)


トゥームレイダー 2 プレミアム・エディション


トゥームレイダー トゥームレイダー2劇場公開記念バージョン

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